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“ベクター・ジャパン株式会社”の事例

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グループのポリシーである従業員満足度向上を追求

会社概要

(左より)人事部 人事担当 古川 航 様・人事部 人事担当 長濱 覚子 様・人事部 マネージャー 白岩 樹 様
本社所在地
〒140-0002 東京都品川区東品川2-2-20
天王洲郵船ビル16F
従業員数
98名
事業内容
車のソフトウェア開発。CANを始めとする様々なネットワーク通信プロトコル向け開発支援装置の販売、技術サポート、カスタマイズ等
ベクター・ジャパン株式会社のサービスイメージ

経営課題 グループのポリシーである従業員満足度向上を追求

遠方の客先から自宅へ直帰が可能に 大幅な業務効率向上を実現

ドイツ本社の新しい働き方 「フレックスプレイス」に刺激

当社は、自動車のソフトウェア開発を行っている企業です。自動車の内部は、オフィスのLAN環境のように細かなネットワークが張り巡らされ、部品同士が情報のやり取りを行っています。そうしたネットワークの連関をシミュレーションしたり分析したりするのが主な業務です。本社はドイツにあり、当社は日本市場において自動車メーカーや電機関連メーカーを中心にサービスを提供しています。自動車のインテリジェント化が進展する中、活躍のフィールドもますます広がっています。

今回のモデル実証事業に参加したきっかけは、グループ全体のポリシーとしてES(employee satisfaction:従業員満足度)という概念があったことがあります。社員の働きやすさとは何か。どうすればESの向上につながるのか。そうした問いにドイツ本社が導いた答えの一つが「フレックスプレイス」という働き方でした。労働時間の何割かは働く場所は問わないというものです。これを日本でも実践してみようと考えたのがきっかけです。フレックスプレイスのポリシーをドイツ本社から取り寄せ、日本の文化風習を考慮しながらガイドラインを作成していきました。

二重のパスワード認証等 セキュリティ対策を徹底

テレワークの対象は社員全員。週1回の在宅勤務と臨機応変にモバイル勤務を活用するスタイルです。以前から支給済みのパソコンにテレビ電話やチャットができるアプリケーションを入れ、営業や技術系の社員にはスマートフォンを支給しました。パソコンのハードディスクは暗号化されてあり、立ち上げ時にパスワードによる認証が必要な上、スマートカードによる認証でVPN※1接続し、社内LANにアクセスする等セキュリティを徹底させました。その他、街中のフリーWi-Fiの使用と社外での印刷は禁止としました。

テレワークにより業務効率が向上 家族と過ごす時間を創出

導入して効果を実感したという声は、営業等の外回りの社員から最も聞かれました。お客様である自動車メーカーの工場や研究所は遠方にある場合が多く、打ち合わせの後に帰社する手間と時間が非常に非効率でした。客先の近辺でモバイル勤務できるので、報告書や資料作成の後、自宅へ直帰することで業務効率が向上しました。それにより、育児を夫婦で助け合うことができた、平日の夕飯を家族で楽しむことができた等の喜びの声も多数上がっています。

エンジニアの場合は、パソコンで仕事に没頭するケースが多いのですが、在宅勤務時は子どもを保育園に送って、すぐ仕事に取り掛かれるので助かるという声も上がっています。人事部は、中途採用予定の人材に会うために出張が多くなるのですが、その日は面接の後に現地でモバイル勤務を行うことで柔軟な働き方が可能となりました。

モデル実証を終えてルールは最低限の取り決めで状況に応じて柔軟に変えていく

2018年4月からテレワークの本格的な導入が決まりました。現在、モデル実証事業におけるアンケートを集計し、その結果を反映させたルールづくりを行っています。アンケートはモデル実証事業の前と後の2回実施しましたが、不安があったけど、やってみたら非常に効率が良かった等、予想以上に高評価でした。

ルールに関しては、週1回の在宅勤務は堅持し、管理を緩やかに整備していこうと考えています。管理者会議で議論になったのは、テレワーク導入当初は、在宅勤務時に仕事の開始連絡・業務内容の報告・終了時連絡と、その日の業務内容の報告を行うルールを定めていました。しかし、業務内容の報告は社内にいる時も行わないので不要なのではとの意見が出され、取り止める事になりました。ルールはあくまでも最低限の取り決めでスタートし、ニーズや状況に応じてフレキシブルに変えていくつもりです。

あまり厳格な管理体制を整備すると、在宅勤務を利用しにくい状況も出てきます。まず、社員を信頼する。自律的に工夫し能動的に考え自ら動く事で、在宅勤務の効果も出てくるのだと思います。それが、当社の企業文化に合ったテレワークのやり方だと認識しています。

解決ポイント

経営課題
ES(employeesatisfaction:従業員満足度)を追求したい
遠方に点在するお客様との打ち合わせ後に帰社する等効率が悪い
導入概要
支給済みのパソコンにテレビ電話&チャットツールをインストール
パソコン立ち上げ時にパスワードによる認証
スマートカードによるVPN※1接続を通じての社内LANへのアクセス環境を構築
導入効果
外出先で資料作成する等、業務効率の向上
家族と夕食が取れる等、従業員満足度の向上

テレワーク体制図

導入の様子

ベクター・ジャパン株式会社の理念について語る白岩 樹 様(右)

モデル実証企業からのアドバイス

目的を明確にする

何のためにテレワークを導入するのかを明確にする事。テレワークの実施者、管理する側、双方の満足度を高める仕組み作りが大切です。

自分の業務を棚卸する

テレワークに向いている業務と不向きな業務があります。自分の業務を棚卸して、在宅勤務時に適した業務を把握しておくことが重要です。

クラウドとは
インターネット上にデータを保存する使い方、サービスのこと。
※1 VPN
仮想的な専用線(Virtual Private Network)の略。共有ネットワーク上にプライベートネットワークを構築すること、またはその技術。
※2 クラウド管理システム
クラウドで提供される業務管理サービスやチャットサービスなどの総称。