“特定非営利活動法人フローレンス”の事例
業務内容を問わず誰もがテレワークができる環境を構築
会社概要
- 本社所在地
- 〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-14-1
KDX神保町ビル4F - 従業員数
- 535名
- 事業内容
- 訪問型病児保育事業、小規模保育事業、障害児保育事業等
経営課題業務内容を問わず誰もがテレワークができる環境を構築
働きやすい環境を整えることで生産性向上と自律した社員の育成を目指す
親子の問題を解決する企業として 自ら、働き方改革を推進
当社は、「親子の笑顔を妨げる社会問題を解決する」ことをミッションに、訪問型病児保育、小規模保育、障害児保育等、社会問題への「小さな解」を自らが事業として生み出し、それを政策にして全国に拡散することで、社会問題の解決に取り組んでいます。例えば待機児童問題に取り組む小規模保育事業では、2010年に始めた「おうち保育園」が2012年「小規模認可保育所」として制度化され、2016年には2,429園になりました。「おうち保育園」も2017年7月現在17園に増え、待機児童問題の一つの解決策となり得ました。また、みんなで子どもたちを抱きしめ、子育てと共に何にでも挑戦でき、様々な家族の笑顔が溢れる社会というビジョンを実現するために、自ら働き方革命事業を実践し、社外にも発信してきました。
ビジョンに従い社会に先駆けてテレワークを実施
当社の働き方革命事業の一環として、創業5年目の2009年にテレワークを実施しています。社会に先駆けてテレワークの事例を作り、社外に広げていこうと考えました。当初はまだ社員が少なく、事務局スタッフ全員の12人を対象に週1回の在宅勤務を行いました。全員にノートパソコンを支給し、社内サーバーは立てずにクラウド上でのシステム活用を徹底していたため、テレワークのために特別に準備をする必要はありませんでした。
テレワークの改善点を発見するためにモデル実証事業に参加
その後、テレワークは社内に定着したものの、事務局スタッフが100人を超え、在宅勤務ができるチームとできないチームができてきました。経理チームは紙による業務が多く、在宅勤務に向かないとスタッフは思っているようでした。そうしたことも含めて、もう一度改善できる点を浮き彫りにしようと、今回のモデル実証事業に参加しました。
対象者は経理担当を含めた4名です。テレワークは既に定着していたので、新たに支給した機器やシステムはありません。クラウド管理システム※によるチャット、ビデオ電話、ファイル共有等も各チームが普段使っていたものを継続利用しました。ガイドラインは作成して随時アップデートしています。最近では、オフィス移転により、十分なフリースペースを確保したことで、テレワークの利用促進を図っています。
在宅勤務者と社内のコミュニケーションもスムーズに
在宅勤務は、週1回。家での印刷は禁止等必要最低限のルールはありますが、本人の主体性を重視しています。以前より、代表の方針で「業務の見える化」が会社の文化としてありました。朝のメールや日報、業務内容を全社員にメールで伝えます。社員同士のコミュニケーションも普段からチャットで密に交わされているので、在宅勤務者とのやり取りも違和感はありません。在宅勤務者からは集中できる、生産性が上がった等の声が上がっています。今回のモデル実証事業のテーマの一つだった経理業務に関しても在宅勤務時に月次報告資料の作成に充てる等、有効に活用できたようです。在宅勤務で行う業務と会社で行う業務を自分で振り分け、計画的に実行していました。
モデル実証を終えて在宅勤務に適した自律した社員を育成
在宅勤務に向いているのは、自ら考え、行動ができる自律している社員です。そのような社員を育成するために、常にテレワークについて社員同士で議論をしています。例えば、テレワークの最適な日数は週何日か、業務の範囲はどこまでが適当か、社内でのコミュニケーションはどのように行うとよいか、業務効率の成果は何か等をテーマにとことん話し合います。大切なのは、社員自らが生産性や成果を高めるためにどのように行動するのかを考えることです。自律した社員を育てていくこともテレワークを推進する上で重要なテーマになると考えています。
解決ポイント
- 経営課題
- 社会に先駆けてテレワークの事例を作り、社会に広げて行きたい
- 在宅勤務ができるチームとできないチームができてきた
- 導入概要
- チャット、ビデオ電話、ファイル共有は多様なクラウド管理システム※を活用
- 家での印刷は禁止等、最低限のルール以外は、在宅勤務者本人に裁量を与え運用
- 導入効果
- 在宅勤務で行う業務と会社で行う業務を社員が自ら考え、計画できる自律性を育成
- IT化が遅れがちな経理業務も在宅勤務が可能なことを実証
- 集中できる環境構築による生産性向上
テレワーク体制図
導入の様子
モデル実証企業からのアドバイス
なぜ、導入するのかを明確にする
テレワークを導入することが目的ではなく、テレワークを通じて何を実現するかが重要です。導入が目的化して管理を厳重にする場合もありますが、過度に管理するなら導入しない方がいいと考えます。
在宅勤務の曜日を決める
在宅勤務をする曜日を決めたほうが社内の社員も把握しやすく、在宅勤務者もスケジュール管理がやりやすくなります。