“エルズサポート株式会社”の事例
育児中の社員の負担軽減と生産性向上
会社概要
- 本社所在地
- 〒169-0072 東京都新宿区大久保3-8-2
新宿ガーデンタワー13階 - 従業員数
- 140名
- 事業内容
- 家賃債務保証事業
経営課題育児中の社員の負担軽減と生産性向上
実践により、難しいという思い込みを払拭し、テレワークの可能性を追求する
育児中の社員が増えより働きやすい制度作りを目指す
当社は賃貸住宅の家賃債務保証を中心に、シニア層の入居者の生活支援サービス事業等を行っております。社内ではここ数年で出産を迎える社員が増加しています。現状で育児休業からの復帰率は100%となっていますが、これから復帰を控える社員も8名おり、働きやすい環境作りと優秀な人材の継続雇用が命題となっていました。そこで、時間や場所にとらわれずに働けるテレワークが有効ではないかと考えました。テレワークが実現できれば、働きやすさに加えて生産性の向上や省スペース化、通勤費のコスト削減も期待できます。これらの効果を検証したいと思い、モデル実証事業に参加しました。
週2回の在宅勤務とサテライトオフィス勤務を実施
モデル実証事業では、経営管理部と業務推進部の社員5名が在宅勤務及びサテライトオフィス勤務を併用で実施し、営業担当の社員21名がサテライトオフィス勤務を行いました。ルールはクラウドサービス※を使ったスケジュール共有と、テレワーク時にチャットツールで始業と終業を報告することです。在宅勤務については、様々なパターンを試したかったので、上長が認めれば柔軟に対象者を選定できるようにし、育児等の事由のある社員や通勤に時間を要する社員、自宅での集中業務で効果が見込める社員も含め、2か月間で平均して週2回実施できるように調整しました。
サテライトオフィス勤務については、主に不動産会社を訪問する営業担当の社員が、アポイントメントの合間の時間に資料作成やメール対応をするために利用しました。
セキュリティの不安を事前研修で払拭
当社は個人情報を取り扱う業務が多く、セキュリティ面の不安がありました。そこで、コンサルタントの方に当社に合ったツールを紹介してもらい、社内で対象者に事前研修を行いました。パソコンのローカル上にはデータを保存できないツールの特性や、テレワークを行う際の注意点をしっかり共有できたことは有意義でした。社内教育は継続して行いたいと思います。また、セキュリティ面において、サテライトオフィスも安心して使えると好評でした。利用頻度は担当エリア等により異なりましたが、モデル実証事業期間中に20回以上利用した社員もいました。当社の営業エリアが埼玉・千葉まで広範囲に渡るため、移動時間や隙間時間の活用にも有効です。今後は、営業エリアとお客様の保有店舗数・場所を踏まえ、さらなる利用を検討していきたいと思います。
データ精査の業務にチャットツールを活用
業務推進部における在宅勤務では、チャットツールが有効でした。表計算を用いて送金の整合性を判定する業務では、担当者2名が各々で計算したものを付け合わせるダブルチェックを行っていますが、今回初めて対面ではなくチャットを使用して在宅勤務で行いました。離れた場所で行うことに抵抗がありましたが、チャットで進捗状況を共有し、細かな確認や依頼事項等を端的に伝えることで、速やかに完了できました。対面でなくてもできることが実証され、テレワークで行える業務の幅が広がりました。
モデル実証を終えてネットワーク環境等を見直し1年以内の導入目指す
モデル実証事業では、まず「できる」という実感を得てもらうことを優先して取り組みました。実施前は個人情報を扱う業務に漠然とした不安がありましたが、トライアルを経て社内の理解が深まったと思います。必要最低限のツールを使用したため、重いデータの受け渡しにストレスを感じたり、通信が滞ったりすることが課題となりましたが、端末・ツールは再検討して、テレワークでも社内と同じように業務ができる環境を整えたいと思います。実施者からは「通勤時間の削減により身体的にも精神的にも負担が軽減された」、「家族との時間が増え、喜ばれた」等の意見が多くありました。経営層の合意も取れているので、1年以内の本格導入を目指します。物理的にテレワークができない受電業務や、一度に多数の社員が不在となる混乱を避けるため、まずは対象を絞ったスモールスタートでの導入を計画しています。
解決ポイント
- 経営課題
- 育児中でも働きやすい制度の整備
- 移動時間削減と隙間時間の有効活用による業務効率向上
- 導入概要
- 育児中の社員のみならず、様々な事由の社員を在宅勤務の対象として選定
- クラウドサービス※を使ったスケジュール共有と、テレワーク時にチャットツールで始業と終業を報告するルールで運用
- サテライトオフィスの活用による移動時間や隙間時間に資料作成を行う等、時間の有効活用を検証
- 導入効果
- セキュリティ上不安だった業務もテレワーク可能だという発見
- 端末・ツールの見直しの必要性を確認
- サテライトオフィス活用による外出先での時間の有効活用
テレワーク体制図
導入の様子
コンサルタントからのアドバイス
モデル実証事業では、育児中の社員を対象とした在宅勤務、営業担当の社員によるサテライトオフィス勤務を行い、時間の有効活用や業務効率の向上等の成果がありました。テレワークの導入を検討している企業でも、移動時間を有効活用し、生産性を向上させることは、課題の一つだと思います。今回のように在宅勤務とサテライトオフィス勤務を併用することで、移動時間を短縮し、資料作成やメール対応等の業務に当てる時間を作ることができるので参考にしてみてください。