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“株式会社沖ワークウェル”の事例

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在宅勤務を利用して重度障害者に就業機会を提供

会社概要

代表取締役社長 津田 貴 様
本社所在地
〒108-8551 東京都港区芝浦4丁目11番17号
従業員数
81名
事業内容
ITサービス業(ホームページのデザイン・制作、webアプリケーション開発、デザイン)、名刺作成、常時接続型多地点コミュニケーションシステムの開発・販売
OKIワークウェルが自社開発した音声システム「ワークウェルコミュニケータ」全部で9つある仮想の会議室を、ミーティングや個人面談などに利用できる。 在宅勤務を行う土屋 竜一 様

経営課題 在宅勤務を利用して重度障害者に就業機会を提供

テレワーク体制で通勤困難な社員が活躍、効率と業務の精度も向上し会社も大きく成長

20年前からテレワークをスタート、障害者の在宅勤務を実践

当社は2004年に設立、HPの制作・更新、Webシステム開発、採用メール処理や就業データ集計などの総務業務、冊子の編集・デザイン、名刺作成などを行っているOKIグループの特例子会社※1です。1998年にOKIの社会貢献推進室の活動の一環として、「IT企業として通勤の困難な障害者に在宅で働く機会を継続して提供したい」と構想。重度肢体障害者の就業支援を目的に3名の在宅雇用を始めました。肢体障害者が働くためにIT技術を使ったテレワークが必要であるという考えのもと、障害者のIT教育を手がける社会福祉法人と協力し、「職場がお家にやってきた」をキャッチフレーズに、設立当初から18名の社員が在宅勤務を行っています。

社員の半数以上が21都道府県で在宅勤務、オフィスと変わらない環境を構築

2018年1月現在、社員81名、そのうち通勤の困難な重度肢体障害者49名が北海道から鹿児島までの各地で在宅勤務をしています。会社から貸与したパソコンと顎や額、指1本で使用できるキーボードやマウス等入力支援機器を使用し、VPN※2を通じて社内LANに接続することで業務を行います。メールやファイルサーバーの共有など、オフィスと同様の環境を構築しました。始業時と終業時は独自開発したグループウェアを使い、連絡事項を記したメールを全社員に送信します。会議などには独自開発した音声システム「ワークウェルコミュニケータ」を活用した、遅延のない連絡方法を採用しています。画像は使わず音声会話にこだわり、いつも全員が同じオフィスにいるような空気感を共有し、リアルタイムに声を掛け合うことで、文字のやり取り以上に人と人との感情や会話の間などを共有できるようになります。複数でミーティングや勉強会、メッセージ送信もできます。また業務データはセキュリティ上、外部記憶媒体への書き出し・印刷は禁止しています。

必要なことを積み重ねてきた結果 社員数も売上も拡大

在宅勤務者は3チーム・9班のいずれかに所属。営業・プロジェクトマネージャー・社員の労務管理の三役を兼任する「コーディネーター」と在宅勤務の「ディレクター」、「作業員」の三者が協力、チームで業務を行います。勤務時間は10時~17時ですが、入浴介助や通院等の個々の都合で細かく調整します。健康面への配慮から残業や手戻りのない仕事を行うためワークウェルコミュニケータを活用し、肉声でのやり取りを大切にしています。毎日の進捗確認、中間チェック、成果物チェックを行い、日頃から徹底して会話をすることで生産性も向上させています。在宅勤務者の中にチームリーダーとしてのディレクターも誕生、社員間での勉強会も習慣化し技術力も上がりました。実績を積み上げ、人材育成を図ることで設立当初から社員数も大幅に増員、売上も拡大しています。これまで必要に応じて、テレワークの環境整備を行ってきました。今では全国の特別支援学校への出前授業、特別支援学校と遠隔地を結んだ遠隔社会見学も行っています。近年は訪問した学校の卒業生を採用でき、人材確保にもつながっています。

在宅勤務者だけではない、全社員的な働き方改革へ

さらに在宅勤務をしている社員には半年に一度、音声でのスキルアップ面談を実施します。社長の私と上司と共に、各自の目指すレベルや課題、健康状態の確認や勤務時間の調整なども行います。社員の働きやすさを追求したことが会社の成長へとつながり、働き方改革を無意識に行ってきたと考えます。以前より通勤社員にもノートパソコンを支給しモバイル勤務、サテライトオフィス勤務を実施。災害時や悪天候、交通トラブルにも影響を受けず、仕事を進めることができます。障害者や女性だけでなく、多くの人が快適に働く手段として、テレワークは有効なシステムだと感じています。

解決ポイント

経営課題
通勤困難な重度の肢体不自由障害者の継続的な就労支援
遠隔で技術力・生産力の向上を指導
導入概要
肉声でのやり取りを重視したワークウェルコミュニケータを活用
コーディネーターが業務進行や体調管理などを詳細にチェック
外部出力・プリントを禁止し、セキュリティを確保
VPN※2によるセキュアなファイル共有環境を構築
導入効果
障害者の雇用拡大
社員の継続勤務
技術力・生産力の向上による売上拡大

テレワーク体制図

導入の様子

在宅勤務を行う新原 弘一 様

テレワーク導入企業からのアドバイス

細やかで緊密なコミュニケーションを重視

社員間での肉声の対話を大切にすることで、メールやチャットでは伝わりにくい感情や会話の間などに配慮した人間関係を作るようにしています。

できるところから取りあえず始める

まずテレワークをやってみることです。セキュリティが気になるのであれば、大事な情報を扱わない部分から始め、徐々に調整を行っていく方向で進めてみることが大切です。

信頼・信用のある社員に

コミュニケーションが円滑に行えて、しっかり自己管理のできる方、信頼・信用の置ける方を在宅勤務の社員として採用しています。

※1 特例子会社
「障害者の雇用の促進等に関する法律」に定める、障害者の雇用に特別の配慮をした子会社。
※2 VPN
仮想的な専用線(Virtual Private Network)の略。共有ネットワーク上にプライベートネットワークを構築すること、またはその技術。